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法人から大切なお知らせ。新しいのぞみが始まります。
2019-04-04
社会福祉法人のぞみ福祉会
理事長  平 形 恒 雄
 
 
のぞみ福祉会における吹田市障害者等相談支援事業・吹田市障害者等地域活動支援センター機能強化事業の受託終了について
 
 
時下、ますますご清栄のこととおよろこび申し上げます。平素はのぞみ福祉会の活動に対し、格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
さて、のぞみ福祉会では吹田市より委託を受け、平成12年度から精神障害者地域生活支援事業をシードにおいて実施し、平成18年度からはシードで吹田市障害者等相談支援事業(以後「委託相談支援事業」)と吹田市障害者等地域活動支援センター機能強化事業(以後「地域活動支援センターⅠ型事業」)、今年度はムスカリにおいても委託相談支援事業を実施してきました。
委託相談支援事業は、障がいを持ちながらも地域で暮らすなかで、起こりうる様々な生活のしづらさや困りごとについて気軽に相談でき、それにより勇気と安心を得て、時には必要なサービスとつながることができる場でなくてはなりません。しかし、このたび吹田市より「新たな高齢者・障がい者相談支援体制の整備」が打ち出され、その内容を見ると、表1にある通り、私たちが大事にしてきた「精神障がい者のくらしに寄り添った相談支援」の観点が欠けたものになっております。
 
表1 のぞみ福祉会が考える「新しい障がい者相談支援体制」(吹田市)の課題
吹田市が進める相談支援体制
課題
市役所を含む4つの市直営相談センターを廃止、市ケースワーカーを引き上げ、民間に委託。
相談は福祉の最前線。また、市民とふれあい、各々の事情を理解できる場所。福祉サービス提供の主体者として、その場所で市は存在し続ける義務とそこから情報を得て施策に反映させる姿勢が必要。
市ケースワーカーの撤退後、市は委託した民間事業者のスーパーバイザーとなる。
相談という福祉サービスの最前線から撤収し、情報や専門性を養う場を失った状態でスーパーバイザーはできない。
新しい委託相談事業所(6か所)への1か所あたりの人員配置は常勤換算2.5人とする。
これまでの市の各センターはセンター長を含めて4~5名体制。市役所とセンターの4か所に加え、シードのような民間委託事業所5か所で連携をして、吹田市の相談支援体制を構築していた。結果として9か所で行っていた業務を6か所×2.5名に減らしている。あまりにも人員が少なすぎる。
市内を6区画に分け、相談者はそれぞれの住所地を管轄する委託相談事業所でしか相談ができない。
障がい当事者にとっては距離的アクセス以上に、情緒的アクセスへの配慮が大切。障がいによる困りごと相談をするには、勇気と準備が必要。本人が気軽さを感じる場所でないと相談ができない。
市内6か所の新たな委託相談事業所には、相談支援だけでなく、障害者手帳の交付、障害支援区分の認定調査など、多くの事務も行う。
担う役割の中で事務作業の割合があまりにも多く、本来の相談支援や当事者のリカバリーのためのケースワーク業務への時間が取れない。
 
私たちは、吹田市が考える新たな相談支援体制の重大な課題を発信し、吹田市に対して検討を依頼してまいりました。しかし、構想発表以来1年以上に及ぶ話し合いの中でも、私たちの意見は反映されることはなく、平成31年4月より「新たな高齢者・障がい者相談支援体制の整備」が実施されることになりました。私たちはやむなく、委託相談支援事業と地域活動支援センターⅠ型事業(地域活動支援センターⅠ型事業は委託相談支援事業と併設でなくては受託できません)の活動を平成30年度で終了する判断をいたしました。
 この判断に至るまで、私たちは法人内で繰り返し議論をいたしました。その議論の中心は、このまちで暮らす精神障がい者のために必要な相談支援とは何か、それを実現するシステムとは本来どういったものかについてです。私たちは、精神障がい者のくらしに寄り添えない相談支援体制に、貴重な人材と労力を掛けるのではなく、旧無認可作業所以来、のぞみ福祉会35年の活動の中で、利用者や利用者家族、関係機関のみなさま、多くの市民のみなさまと積み上げた経験と精神障がい福祉への専門性、ノウハウ、ネットワークを活かし、平成31年度からは吹田市の委託を受けずに独自の支援活動(表2)を展開していくことに力を注いでいく決意をいたしました。
 私たちの決断については、さまざまな意見があることは承知しております。どうか、皆さまには、ここに至るまでの過程について、ご理解いただき、これからののぞみ福祉会の活動にこれまで以上のご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
 
表2 のぞみ福祉会の強みと、これからの活動
のぞみ福祉会の強み
これからの活動
全職員に対する有資格者の職員や、キャリアの豊富な職員が占める割合が高い。
計画相談支援事業を増設し、職員の専門性を活かして、障がい当事者が必要なサービスを適切に利用できるための支援を展開します。
職員の相談力をさらに高め、計画相談支援事業所だけでなく就労移行支援や生活介護などの日中活動事業所においても、事業利用以外のさまざまな相談に対応する相談機能を備えます。
多様な福祉サービスを展開している。
・4種類の日中活動を5か所の事業所で展開し、それぞれが専門性とノウハウを蓄積しています。それによって、障がい当事者の希望をもとにサービスを選ぶ機会を保障します。
①就労移行支援事業(生活介護を併設)
②生活訓練事業
③就労継続B型事業
④生活介護事業
・グループホーム事業により障がい当事者に居住の場も提供し、くらしを多方面から支えます。
・3か所の計画相談支援事業所が、上記のサービスを有機的につなぎます。
様々な社会資源と確かな関係を備える。
吹田市で活動する当事者家族会、当事者団体、ボランティア団体、地区福祉委員会などと常に協働し、それぞれの魅力を利用者の支援に活かします。
 
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